E231系は103系・301系・113系・115系の置き換えのため1998年から2007年にかけて2632両が製造され、三鷹車両センター・小山車両センター・松戸車両センター・東京総合車両センター・国府津車両センターに投入されました。その後2010年に山手線の6ドア車置き換えのため4ドア車104両の増備が行われています。
通勤形・近郊形の両方に対応出来る車両として開発され、209系の加速力を維持しつつ、E217系同等の最高速度を持っています。また機器の制御を管理システムTIMSを通して行うことで、配線・保守点検が簡素化されコスト削減に貢献しました。その完成度から、鉄道各社がE231系ベースの車両を登場されています。
1998年に試作車となる209系950番台が登場しました。試作車のため1編成中に2種類の制御装置が搭載されています。中央・総武緩行線に投入され、2000年の量産車登場に合わせてE231系900番台に改番されました。量産車となる0番台は2000年3月より中央・総武緩行線に投入され、103系・201系・205系を置き換えました。当初は習志野電車区と三鷹電車区に配置されていましたが、現在は三鷹車両センターに統一されました。
同じく2000年より宇都宮・高崎線にも投入が行われ115系の置き換えが行われました。こちらは1000番台とされ、踏切事故対策として高運転台構造となっており、前照灯はHIDが採用されました。扉の半自動対応やトイレの設置など近郊形の仕様となっています。
2001年からは常磐快速線への投入が行われました。そのまま0番台となり車番も中央・総武緩行線用の続番となっています。JR東日本の通勤形では初めて自動放送が取り付けられ、ドア上部のLEDも2段化され運行情報が流れるようになっています。
2002年からは山手線への投入が行われました。500番台となり、前面のデザインが変更されました。ドア上にはLCDが2台搭載され、様々な情報が提供されています。なお常磐快速線用と山手線用は全編成が新津製作所にて製造され、2タイプの車両が並行して製造されていました。
2003年には東西線直通用の800番台が登場し、103系・301系を置き換えました。地下鉄仕様のため本系式で唯一車体幅が2800mmとなっており、前面貫通扉が設置されています。
2004年からは東海道線の113系置き換えのため国府津車両センターへ1000番台の投入が始まりました。小山車両センターの編成と比べてLED表示機が2段化されていたり、9・10号車もセミクロスシートになったりと変更点があります。また同時期に小山車両センターの編成にグリーン車の組み込みが行われた関係でK02～42編成のサハは小山からの転属車となっています。
2006年には東北・高崎線のグリーン車組み込みを100％とするため211系置き換え用に小山車両センターに追加投入が行われました。この編成は国府津車両センターのものとほぼ仕様が同じになっています。
また同じく2006年に209系900番台置き換えのため209系500番台が転出した三鷹車両センターの穴埋めとして3編成が追加投入されました。この3編成はE233系登場後の落成となっており、予備アンテナが設置されているなどE233系の仕様が見られる部分があります。
編成単位での最終増備となったのは小山車両センターのU118編成で、訓練車となっていた115系1編成の置き換えのため製造されました。
以降首都圏への新型投入はE233系となりましたが、山手線へのホームドア設置に伴い6ドア車の置き換えが必要になったことから、2010年に久々のE231系となるサハE231-600番台とサハE231-4600番台の製造が始まりました。これによりサハE230の置き換えが行われ、早くも廃車が発生し、サハE231-500番台は2011年8月31日で営業運転を終了し、9月23日の廃車配給により消滅しました。
2017年からは山手線へのE235系投入が始まり、2020年1月をもって山手線での運転を終了しました。山手線用500番台は中央・総武緩行線用となり三鷹車両センターへ順次転属し、2020年3月14日ダイヤ改正で6扉車が全て運用を離脱しました。三鷹車両センターの0番台は短編成化のうえ武蔵野線・八高線・川越線へと転属しました。八高・川越線用は半自動扉化改造などが行われ3000番台に改番されています。