115系は111系を寒冷地区・急勾配路線対応とした形式で、1963年から1983年に1921両が製造され、JR東日本は1186両を継承しました。
主要機器は同じく111系から改良された暖地・平坦線区向けの113系同様に定格出力120kWのMT54形電動機を搭載するなどしていますが、勾配線区に対応するためノッチ戻し機構ならびに抑速ブレーキを装備しています。また寒冷地向け仕様として半自動扉機構や押込式の通風器を装備しています。
1966年には狭小断面トンネル対応の800番台が製造され、中央東線・篠ノ井線に投入されました。翌年には横軽対策も施した編成が小山電車区にも投入されました。1973年からはモデルチェンジが施された300番台が小山電車区・新前橋電車区・三鷹電車区に配置されました。当初より冷房を搭載し、前照灯もシールドビームとなっています。狭小断面トンネル対策のPS23形パンタグラフを搭載した編成も製造されて800番台に相当する形式は製造されませんでした。1977年からは耐寒耐雪構造が強化された1000番台が製造され上越線・信越本線などに投入されました。雪切室を設置して浸雪対策を強化し、シートピッチも広げられました。
1980年台からは短編成化の動きに対応するため中間車の先頭車化改造が行われ、0番台は500番台に、1000番台は1500番台となりました。またモハを電装解除して上で先頭車化改造した550・650番台も登場しました。
1985年からは211系の投入に伴い徐々に廃車が始まりましたが本格的な置換えは2000年のE231系投入からとなりました。高崎線は2001年11月30日に、東北本線上野口は2004年10月のダイヤ改正で運用を終了しました。状態の良い車両は松本運転所や新前橋電車区へ転属しました。その後は再び動きがありませんでしたが、E233系投入に伴う211系転属により2013年度から長野・豊田車の置換えが開始され、2014年12月に豊田車は全編成離脱、長野車も大半が廃車になりました。また新潟車についても長野車の転入、E129系の投入により廃車が始まっています。